大工職人で有り続ける工務店

大工職人:仕口の手刻み

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木製バルコニーの修復工事に用いる材料の加工を工場でしています。
外壁材で囲われる一般的なバルコニーではなく、
木材がそのまま表し(化粧材)になるので、加工してからカンナで仕上げます。
接続金物は使わずに、木材自体の粘りのある仕口を取り入れます。
余談ですが、
仕口とは・・・2本の木材がL字やT字に交差する場所に用いる加工。
継手とは・・・2本の木材を長手の方向に継ぐ場所に用いる加工。

今回用いた仕口は、重ね枘仕口(かさねほぞしぐち)です。
この仕口は、
大断面の梁の側面に別の梁を受ける時に、受け梁上端の繊維方向の圧縮強度が
弱まるのを防ぐために、重ね枘として横から差し込むことで受け梁の強度を保つ仕口です。
むずかしい用語ばかりですみません・・・(-_-;)

      

両材の断面欠損を考慮しながら、できるだけ長枘にします。

      

差し込む時に緩すぎないよう、又、きつすぎないように微妙な加減で加工します。
最後に木槌で数回叩いて、隙間なくキッチリ納まります。
これだけでもなかなか抜けませんが、現場では受け梁の上端から枘まで、こみ栓を差して終了です。

これらの加工は職人の手刻みであり、今流行りのプレカット加工(機械加工)では不可能な手業です。
プレカット加工は、生きた木を選別することなく、画一化された製品として機械加工をします。
先人達が試行錯誤を繰り返しながら、受け継がれてきた卓越した技法の中では今回の仕口は
極めて簡単な方であります。
現在の住宅形態は、職人の手刻みではなく、ほとんどがプレカット加工の形です。
手刻みの時代を生きた職人でさえ、「早くて楽」を理由にプレカットに流れていきます。
結果、その下で働く若い職人達は技法・手刻みを経験できずに、全てプレカット頼みになります。
「手刻み・プレカット」それぞれ一長一短で賛否両論があり、プレカットの全てを批判する訳ではないが、
一本一本の木と向き合い、木の特徴を生かし、
卓越した手業で木組みをしてきた先人達を「大工」と呼ぶのなら、
木と向き合わないプレカット製品を淡々と組むだけの職人達を、はたして「大工」と呼んでいいのか・・・

自分も先人達にくらべれば、まだまだ胸張って「大工」とは言えませんが、
これからも時代の流行りに抵抗しながら、先人達の志・技を大事にしていきたいと思います。
多くの技法を模索しながら、それを「次の世代に伝えていけたら」と思います・・・・

 

 

 

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